アマチュアの悩み、「スライス」を改善する!
今回はアマチュアゴルファーの約8割が悩んでいるといわれる、“スライス”を改善するための、効果的なトレーニングを紹介しましょう。
スライスが出てしまうのは、下半身の柔軟性の低下や、腕の筋力低下などによる、動作エラーが原因といえます。そこで今回は腕の筋力をアップ、あるいは維持するためのトレーニング法を紹介します。
上腕二頭筋のトレーニング①
上腕二頭筋とは、ひじを曲げるときや、手を回外させるときに使われる筋肉です。

ここが上腕筋二頭筋
2~3kgの重さのダンベルを、両手のひらを上にむけて持ちます。両わきを締め、ダンベルをゆっくり上げ下げします。また同じ運動を、両手の親指を上に向けた状態でも行います。回数は特に設定しませんが、100回程度なら無理なく行えるようになるのが理想です。

ワキを絞めて動作を行うのがコツ



上腕二頭筋のトレーニング②
トレーニング①と同じように、2~3kgのダンベルを、両手の親指を上に向けて持ちます。
先ほどは上下に動かしましたが、これに少しゴルフの動作を加えます。前腕が床と水平の状態から、左肩(あるいは右肩)の方向へ、ななめ上にダンベルを上げていきます。



トレーニング用のメディスンボールがあれば、それを使用してもいいでしょう。これもやはり、100回程度なら無理なく行えるようになるのが理想です。



三角筋のトレーニング①
左肩の三角筋はトップポジションでクラブをしっかり支えるために必要な筋肉です。

クラブを支える左肩の三角筋
先ほどより軽い1kgのダンベルを使います。左手でダンベルを持ち、体の真横に下ろした状態から、左腕が地面と水平になる高さまで上げます。そのまま3秒間静止し、ゆっくり下ろす。これを10回繰り返します。
同じように右腕でも行います。
1kgのダンベルがなくても、水を入れた500mlのペットボトル(重量500g)で代用が可能です。1kgだと少し重くてキツイと感じる方は、こちらを使用するとよいでしょう。


三角筋のトレーニング②
同じく三角筋のトレーニングですが、ゴルフのスウィングにより近い形で鍛えていきます。
左手1本でダンベル(あるいはペットボトル)を持ち、実際にゴルフでスウィングするときのように上体を前傾させ、アドレスの姿勢を作ります。
そこからバックスウィングをするように、左手1本でダンベルを上げていき、トップのポジションで3秒間静止します。



肩のインナーマッスルのトレーニング
三角筋は肩の表層にある筋肉でアウターマッスルと呼ばれます。インナーマッスルは肩の深層部分にある筋肉で、アウターマッスルとの筋力のバランスが整っていないと、動きが悪くなったり、肩の痛みなどにも繋がります。

肩のインナーマッスル
肩のインナーマッスルのトレーニングは、重いウェイトで行うとアウターマッスルが働いてしまうため、軽い1kgのダンベルか、水を入れたペットボトルを使います。
横向きに床に寝た状態で、上側の手でダンベル(あるいはペットボトル)を持ち、上下に動かします。このときワキは体の側面につけたまま、離れないように注意しましょう。また、上げるときに親指を上に向けるように、前腕をねじる動作を加えると、より効果的です。


ワキを付けるのを意識しましょう

捻って親指を上に向けると効果的

✖ワキは体から離さないで
これらのトレーニングを行うことで、高い位置でトップポジションの形が安定し、インパクトゾーンでは、しっかりフェースターンを使えるようになります。ボールがつかまるようになって、スライスボールが限りなくストレートに近づいてきます。

石渡俊彦(いしわたとしひこ)
スポーツコンディショニング研究所及びゴルフスタジオf代表。
プロゴルファー&フィジカルトレーナー
1965年千葉県生まれ。
95年プロテスト合格。
男子・女子ツアーにおいて、復活優勝を果たした有名プロのコーチとして高く評価され、そのノウハウを活かし、若手の育成やアマチュアのレッスンにも力を注いでいます。
2004年「レッスン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
2005年 千葉市にてGolf Studio”f”を開設。