箱根外輪山の雄大な山並みに囲まれた仙石原高原に広がる、自然を活かしたダイナミックなデザインは大谷光明の手による。女子プロトーナメント開催で夏の箱根は華やかに。

日本を代表するリゾート地、箱根に位置するチャンピオンシップコース

関東、いや日本を代表するリゾート地の1つ、箱根。その箱根の雄大な芦ノ湖外輪山の麓、仙石原高原の一角に展開するのが大箱根カントリークラブだ。現在、仙石原には芦ノ湖から流れ出る早川に沿って、箱根湖畔GC、箱根CC、大箱根CC、富士屋H仙石GCと4つのゴルフコースがあるが、大箱根カントリークラブはその中央に位置する。

開場は1954年(昭和29年)。33万坪の広大な土地に18ホール(7,289ヤード、パー73)がレイアウトされている。大がかりな重機は入れず、ほぼ手造りの丘陵コースで、全体は野芝で覆われ、グリーンはベントの2グリーン。

画像: 日本を代表するリゾート地、箱根に位置するチャンピオンシップコース

日本ゴルフの祖、大谷光明と「ゴルフの宮様」朝香鳩彦の共同設計

コース設計は大谷光明(1885~1961年)と朝香鳩彦(1887~1981年)。大谷は京都西本願寺21代門主、大谷光尊の3男に生まれ、明治時代末期にイギリスへ留学。そこでゴルフに出会い、大正時代初期に帰国。当時、設立されたばかりの東京ゴルフ倶楽部に入会。JGA(日本ゴルフ協会)創設に尽力した。そのきっかけは難解なゴルフルール(R&Aルールを翻訳)を研究適用するためには組織の必要性を痛感したからだという。

朝香(朝香宮鳩彦王)は元皇族で陸軍大将。フランスに軍事留学している折、交通事故に遭い、帰国してからは昭和天皇の勧めでゴルフを始めHC4まで上達。東京GCが埼玉県膝折村に開場した時、交通事故で痛めた脚を思い“膝折”ではまずいと、朝霞町と改名。霞にしたのは香では畏れ多いという理由だった。現在でも東京GCには朝香杯の競技が残る。

大箱根カントリークラブは大谷が図面を引き、朝香がブレーンとして助言したとされる。その設計の特徴はなんといっても箱根外輪山の雄大さを借景として余すところなく取り入れたことだろう。広大な裾野に展開する18ホールのスケールの大きさはクラブハウスから見渡すとよく判る。重機を入れていないために、文字通り自然の地形がそのまま残されている。すなわち早川に流れ込む自然傾斜に合わせ、フェアウェイの起伏(マウンド)と窪地のアンジュレーションは自然のハザードとなって、ゴルファーに“戦略”を考えさせる。そして随所に残された檜の樹林帯によって、ホールを適度にセパレートしていて、ただの高原コースとなるのを防いでいる。つまり樹木がコース全体をして、変化に富むロケーションを形成しているのだ。

画像: 真夏のゴルフの祭典「CAT Ladies」は毎年女子プロの熱戦がくり広げられる

真夏のゴルフの祭典「CAT Ladies」は毎年女子プロの熱戦がくり広げられる

日本一長いパー5と「蓮の花」パー3。豪快と繊細の組み合わせが妙

設計者がホールデザインに腐心したのが、例えば15番(590ヤード、パー5)だろう。当時、「日本一長く、難しいホール」と話題になった。パーシモンドライバーの時代だから実質パー6といってもよいだろう。飛ばし屋たちはこぞってこのモンスターホールを攻略しようと馳せ参じた。

また、16番(439ヤード)はティグラウンドが一番高い位置にあり、大涌谷を正面に仙石原を一望できるパー4、スケール感を満喫できるホールだ。そして17番(199ヤード、パー3)は“蓮の花”と命名された6つのバンカーに囲まれた難ホール。グリーンを外してはいけない、キャリーで高い球を打たなければという重圧がプレーヤーを襲う。この3ホールの流れが特に、設計者の豪快、繊細さを織り交ぜた意図を感じる。

画像: 正面に大涌谷を望む16番パー4は雄大な景色に息をのむ

正面に大涌谷を望む16番パー4は雄大な景色に息をのむ

女子プロトーナメントを開催しているのも、ただのリゾートコースではないとの意志表示をしているかのようだ。
CAT Ladiesは1998年から第2回大会として開催して以来現在も行われ、チャンピオン達にはその年の実力者が名を連ねている。不動裕理、宮里藍、横峯さくら、福島晃子、アンソンジュ、上田桃子、服部真夕、イ・ボミなど目白押し。

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