40歳を過ぎてからプロテストに合格し、ツアーデビューを果たすなど、プロコーチの枠組みを超えた活動が大きな反響を呼んでいるプロゴルファー・中井学。
そんな中井が自らの波乱万丈のゴルフライフを振り返る連載。第5回は、自分の思いとは違う方向に進んでいくゴルフ人生。

授業もゴルフも上手くいかない、悶々とした日々

入学したシトラスカレッジはセメスター制(2学期制)で、ゴルフのシーズンは春学期。日本からクラブを送ってもらって、ゴルフ部1年目がスタートした。選抜チーム、上位6名を決めるためのトライアルが毎週2回行なわれ、2年近くラウンドをしていなかった私は、大学代表はおろか、80を切るのがやっとという状態。授業も全くついて行けず落第続きで、毎週のように海まで行って、「バカヤロー!英語ができるだけで偉そうにしてるんじゃねえよ!」って桟橋から叫ぶ日々。結局1試合も出られず補欠のまま終了。コーチの計らいで一旦入部を取り消し、来学期に改めて入部をすることになった。要は「落第」したのだ。

画像: 授業もゴルフも上手くいかない、悶々とした日々

授業もゴルフもうまくいかない、悶々としていたある日、チームメイトが「一度レッスン受けてみれば?」と提案してきた。父に教わっていたとはいえ、ほぼ独学だった私はその「カルフォルニアで1番人気」とチームメイトが勧めるコーチのレッスンを受けることにした。とはいえ30分で100ドルのレッスン料は、時給5ドルでゴルフ練習場のバイトしていた私には強烈な出費だった。「100ドルの元を取ってやる!」と紙に20項目くらいの質問を書いていざ出陣(笑)。そこで衝撃的な一言を耳にする。

「君は完璧なスイングをしている。手をつけるところはないよ」

「コーチ、待ってください。私は完璧なんて微塵も思っていません。質問もあります。この紙を読んでください」と食い下がる私。
紙に目をやりながら「君は考えすぎさ。リズムとテンポ。それだけ考えてりゃいいよ」とほとんど読まずに返してきた。
これでおしまい。これで100ドル。

「ふざけんな!もう2度とレッスンなんか受けるものか!」そう決心した私は中古のビデオカメラを譲ってもらい、自分で研究を始めた。バイト先でスイングを録画しながら練習していると「俺も撮ってくれよ」と常連さんたちが近づいてくる。撮って見せてあげると「えっ!こんなに酷いの!?どうすりゃいい?」「じゃあこうしてみて」なんてコミュニケーションをとっていくうちに、あの練習場に英語教えるとゴルフ教えてくれる日本人がいると評判に(笑)。いつの間にか、地元のコミュニティでジュニアレッスンのボランティアもしていた。これが私のレッスンキャリアのスタート地点。

この時は、将来、レッスンプロとして評価されることになるとは微塵も思わなかった。肘のケガさえ治ればツアープロとして活躍するんだと、信じて疑わなかった。そんな私に幸運の女神が現れる。
(文/中井 学)

画像: 中井学(なかい・がく)1972年4月14日生まれ。高校卒業後に渡米し、苦学しつつゴルフの技術を磨き、見識を深めて帰国。ツアープロコーチとして長く活動した後、2015年にプロテスト合格。2016年、東建ホームメイトカップでレギュラーツアーデビューを果たす

中井学(なかい・がく)1972年4月14日生まれ。高校卒業後に渡米し、苦学しつつゴルフの技術を磨き、見識を深めて帰国。ツアープロコーチとして長く活動した後、2015年にプロテスト合格。2016年、東建ホームメイトカップでレギュラーツアーデビューを果たす

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