見る愉しみ
その一番目は“見る愉しみ”だ。山梨県河口湖町の標高1000メートルに位置するコースは、随所から富士山を目にすることができる。6番ホールの池に映る“逆さ富士”など、一度は見ておきたい絶景だ。

6番ホールの絶景、逆さ富士
“見る愉しみ”はこれだけではない。2005年以来、ここでは男子ツアーのフジサンケイクラシックが開催され、名勝負が繰り広げられている。一度でも富士桜CCをプレーし、その戦略性の高さを経験すれば、テレビ観戦の“愉しみ”も倍加することだろう。

富士桜CCで開催される男子ツアー、フジサンケイクラシック
考える愉しみ
二番目は“考える愉しみ”だ。富士桜CCは“世界基準のトーナメントコース”と評されることが多い。実際、2016年のフジサンケイクラシックのセッティングでは、パー71にしてなんと総距離7524ヤード。国内トーナメント最長のまさにモンスターコースである。
しかし、富士桜CCはただ長いだけのコースではない。各ホールにはそれぞれ、プロにはプロの攻略ルートがあり、アベレージプレーヤーにはアベレージなりの攻略ルートが用意されている。
ティグラウンドに立ったとき「さて、このホールには何本の攻略ルートがあるのだろう」とまずはホールを一望し、次に「どの攻略ルートに、どのクラブで、どんな球を打とうか」と考える。各ホールが何本もの攻略ルートを持つ富士桜CCでは、考えなければ好スコアは期待できないし、コースのすべてを愉しんだとはいえない。
挑戦する楽しみ
そして最後の“愉しみ”は“挑戦する気持ち”だ。富士桜CCの各ホールのコースデザインには、池に囲まれたアイランドグリーンなどという、剥き出しの荒々しさはない。世界のトーナメントコースで使われるペンA2ニューベントのグリーンと、同じく洋芝のベントL93のフェアウェイはいつでも青々と、そしてゆったりとプレーヤーを迎えてくれる。
「安心して攻めておいで」
そんな声が聞こえるようなコースの景観に、知らず知らずのうちに“挑戦する気持ち”が湧き起こる。
考えて考え抜いた末に、あえて安全なルートではなく、いつもより少しチャレンジしてみたくなる。トーナメントプロになったような、その高揚感がまた、愉しいのだ。

挑戦意欲を掻き立てる景観とレイアウト
名だたるモンスターコースも、レギュラーティからは、パー72、6192ヤード。 アベレージプレーヤーも平等に“挑む愉しさ”が味わえる。これこそが、富士桜カントリー倶楽部が持つ、最大の魅力なのかもしれない。